あらすじ
この映画は、毎年自分のためにささやかなご褒美を百貨店で購入する、ちょっとオタクな青年(小出恵介)が主人公です。彼の誕生日に、サイボーグの彼女が現れ、彼は彼女に一目惚れしてしまいます。一度彼女は姿を消してしまいますが、翌年の同じ日に再び彼女は現れます。その彼女はとても怪力の持ち主で、未来の主人公が若き日の自分を守るために送り込まれたとのことでした。その通り、彼女は銃乱射事件に巻き込まれた彼を見事に救ってくれます。彼はサイボーグである彼女にどんどん惹かれていきますが、サイボーグの彼女には恋愛感情がありません。それを悲観した彼は、彼女を追い出してしまい、本当にいなくなります。そんなある日、東京に大地震が来ます。その時には、彼女は再び出現し身を挺して彼を守ってくれるのです。
この映画の主人公は、どちらかというとオタク系の青年が主人公です。最初に彼女にあったのは1年前の彼の誕生日の日でした。そこで、彼は彼女に一目惚れしてしまいます。彼女と食事をしますが、彼女は、実は100年先の未来から来たのと言い残して、100年後の世界に帰ってしまうのです。彼女と再会できたのは、ちょうど一年後の彼の誕生日でした。彼には、彼女に再会できそうな予感がしていたのです。そして、その予感は的中しました。その彼女は、未来の彼が彼自身の身を守るために、サイボーグを作りこの世界に送り込まれたと言います。彼女の目からはホログラムが出て、未来の彼からのメッセージを受け取ります。また、二人で生活を始めると、彼は彼女に次第にひかれていきます。そして、彼女にサイボーグにはないはずの恋愛感情を持つことを希望しました。しかし、彼女は相変わらず、人の気持ちを察することはできません。それに悲観した彼は彼女を追い払ってしまい、本当に彼女は消えてしまいます。しばらく経つと、東京に大地震が来ました。その時には、彼女が登場して助けてくれるのです。しかし、避難途中に彼女はガレキの下敷きになってしまいます。一方、その時彼は、地面の割れ目に落ちそうになっている状態です。下半身が挟まれ身動きが取れなくなった彼女は自分の体をちぎって、彼を助けにいくのです。その後彼女は、再びガレキに衝突し、ついには電源が落ちてしまうのです。ガレキを掘り出し電源が落ちてしまった彼女を発見して、彼はとても落ち込みます。しかし、その直後、生きている彼女が彼のもとへ再び現れて彼は喜びます。
感想
この映画はとてもよくできた映画だと思います。未来から彼女が来る設定や送り込まれた彼女がサイボーグであること。また、そのサイボーグがどうしてそのルックスをしているのかなど、一度見ただけでは理解しきれないかもしれません。また、小出恵介と綾瀬はるかさんが見せてくれる熱心な演技も見応えがあります。とくに、綾瀬はるかさんは熱演のあまり柱に衝突して鼻を骨折してしまったという逸話もあります。この映画の序盤は彼と彼女の恋物語が爽やかに描かれており、中盤に入ると彼女のサイボーつという設定を生かし、バスを持ち上げてしまったり、凶悪事件を解決したり、トラックに轢かれそうな少年を助けたりなど、立派なサイボーグ役を演じきっているところがとても面白いです。ラストに近づくと東京に巨大地震が来て、彼女が自分自身を破壊してまでも、彼を助けようとする姿は、一種の愛情表現なのではないかとも思いました。特にラストの、サイボーグにもかかわらず、「あなたの心を感じる、感じることができる」と言って電源が落ちるところは感動です。しかも、その直後に彼女が戻ってくるところは痛快でした。
どの彼女が本物の人間だったのか?
彼の前には、何度か彼女が現れては消えてを繰り返しています。この映画を注意深く見ているとわかるのですが、実はサイボーグではない、生身の人間も何度かタイムスリップして彼の前に現れています。この映画を初めて見た人には、よほど注意深く見ていないと、どれが生身の人間だったのかがわからないでしょう。生身の人間が登場するのは2回です。一番初めに彼の前に現れたのは、実は人間だったのです。最後まで見るとわかるのですが、人間の彼女は100年後の時代に、博物館に飾られた自分とそっくりのサイボーグを発見し、後日オークションにてそのサイボーグを見事落札するのです。人間の彼女は、サイボーグの彼女からその記憶をダウンロードして自分の記憶としました。そのことがきっかけで、100年前の彼に恋していたのです。それで、実際にサイボーグが現れるちょうど1年前にタイムスリップして姿を表し、彼に会いに行ったのです。そして、もう一回が、最後のサイボーグの電源が落ちた後に登場した彼女が生身の人間でした。
なぜ、サイボーグは生身の彼女にそっくりなのか
サイボーグは、ガレキの下に埋もれていた彼女のパーツをもとに、彼自身が将来作ったからです。
痛快なコメディー要素がありながらも、甘く切ないラブストーリーに仕上がっているので、ちょっと韓国映画のような、店舗の良いラブコメディーが好きな人に向いています。韓国の映画チックになっているのは、韓国で有名な映画の「猟奇的な彼女」などを手掛けた映画監督によりつくられているからです。考察部分にも書きましたが、ラスト10分程度は、ファンタジックな謎解きとなりますので、少し複雑な話が好きな人にも見て欲しい作品です。また、自分なりに話が理解できるまで、何度でも見て欲しい作品に仕上がっています。もちろん、小出恵介さんや綾瀬はるかさんのファンも見逃せない作品です。