今更聞けない『コーヒーが冷めないうちに』を解説

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あらすじ

とある喫茶店での物語です。この喫茶店にはある都市伝説があります。決まった席に座ると自分が望んだ時にタイムスリップできるというのです。しかし、その席には常に同じ先客が座っています。その席を利用できるのは、彼女がトイレに席を外した時だけなのです。また、この席を利用して過去に戻り何をしたとしても現実は変わらないという決まりもありました。しかし、実際にキャリアウーマンが過去に戻り、彼氏と口喧嘩をしたとき戻り、関係を修復できたという実例もありました。また、認知症になった妻を持つ夫が、認知症になる前にもどり、手紙をもらうシーンもあり泣けます。
その後、近所に住む大学生の新谷亮介、そのカフェで働く数のことが気になる存在となります。そして、常に席に座っている女性が数の母親であることも知るのです。数は母の姿を見るたびに、悲しい気持ちになっていました。そこで、亮介が秘策を思いつき、数を過去に戻してあげるのです。

タイムスリップができる席があるという都市伝説のある喫茶店がこの物語の舞台となります。そこには、ウエイトレスの時田数という女性が務めていました。特定の席で、彼女がコーヒーを入れると望んだ時にタイムスリップできるのです。しかし、重要な条件がありました。それは、コーヒーが冷めないうちに飲み干さないと戻って来れなくなり、その場合は幽霊になってしまうのです。

その席には、常に中年の女性がいました。後でわかるのですが、彼女は数の母親で、コーヒーを飲み干さなかったために幽霊になってしまっていたのでした。その席を利用できるのは、彼女がトイレに席を立った時のみです。その隙を狙って、最初にキャリアウーマンがタイムスリップを経験します。その喫茶店でかつて彼氏と喧嘩をして別れてしまったのを後悔していたようでした。彼女は彼氏と喧嘩した時に戻って、素直に気持ちを打ち明け、戻ってきました。「過去に戻ってどんなことをしても現実は変わらない」というルールもありましたが、キャリアウーマンは彼の関係が良くなっていることに気づきます。その他にも、認知症の妻を持つ男性が過去に戻り認知症になる前の妻とあい心のこもった手紙をもらうという切ないストーリーも描かれています。

ある日、この喫茶店の能力に興味を持った、新谷亮介という男性が現れます。亮介は数と次第に仲を深めていて、彼女の母親が幽霊になって座り続けていることを聞かされます。その後、亮介は数との結婚を決意します。数の母親に対する気持ちを解消させるために亮介は秘策を思いつきます。ある夜に、数に指定した日時に喫茶店に行くように告げ、見知らぬ女の子が入れてくれたコーヒーにて、タイムスリップをします。そこには、幽霊になる前の母親がいました。そして、母親はこの時重い病にかかっていることを知ります。そこに、少女時代の数が現れ、母親に対して「ここにいて!いかないで!」とせがむのです。余命少ない母親は、この席に座っていたら、成長した娘に会えると考えていたので、あえてコーヒーを飲み干さなかったことを知ります。その事実を知ったため、数はようやく前向きに生きることができ始めました。” この映画の面白いところは、タイムスリップものであることもありますが、比較的複雑なストーリーで、何度見ても新しい発見があることです。物語の中盤までは、特定の席に座っている女性が謎の人物として表現されていますが、それが、主人公の数の母親であったというところは意外性があり面白いと感じました。また、のちに考察しますが、数が入れたコーヒーでしかタイムスリップすることができず、数が自分のためにコーヒーを入れてもタイムスリップできないのに、なぜ、数はタイムスリップできたのかなどの仕組みもとても上手に描かれています。最大の見どころは、数がタイムスリップをして過去に戻り、幽霊になる前の母親に会うことができ、貴重な時間を過ごせた上、なぜ母親が幽霊になってしまったのかの事実を知るところは、切ないと同時に謎が解け、興味深く見ることができました。その他にも、認知症の妻をもつ男性が、過去に戻り認知症になる前の妻にあい、心のこもった手紙を受け取れたのも心温まりました。

なぜ数はタイムスリップできたのか

基本的なルールとして、時田家の血筋を受けた人しか、タイムスリップさせるコーヒーを入れることはできません。しかも、自分のためにコーヒーを入れてもタイムスリップはできないのです。そんな状況で、なぜ数はタイムスリップできたのでしょうか。それは、亮介が考え出した巧妙な計画にありました。その当時、すでに亮介は数との結婚を約束していて、すでに数のお腹の中には、二人の子供がいました。実は、亮介は一度未来にタイムスリップしたのです。そして、将来生まれてくるであろう子どもがある程度大きくなった時代にタイムスリップしていました。そこには、二人の間に生まれた未来という女の子がいました。亮介は、未来に対して、現在の時代にタイムスリップすることをお願いするのです。未来に対してタイムスリップ用のコーヒーを提供したのは母親になった数です。これにより、数の子どもである未来が、現在の数のためにコーヒーを入れてくれたのです。

こんな人にオススメ

少々複雑な設定ですので、真剣に映画に向き合える人に向いています。また、タイムマシーンなどの大袈裟な装置がなく、少々地味なので、それに対してしらけた気持ちにならない人に見てもらいたい映画です。タイムスリップというSFチックな設定にはなっていますが、ヒューマン要素も強いため、人間模様などを描いた映画が好きな人にも向いているでしょう。特に、映画の最後の方に表現されている、数がタイムスリップするカラクリなどが解説されると、物語をすっきりと理解ができて楽しく視聴できるのではないでしょうか。もちろん、有村架純さんファンにも必見の映画です。

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