今更聞けない『忘れないと誓ったぼくがいた』を解説

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平凡な高校生3年生の葉山タカシと、数時間で人から忘れられてしまう存在の織部あずさが繰り広げる、恋愛ファンタジー映画です。ある日、自転車で走ってたタカシは、あずさと衝突し二人は出会います。次の日学校で、タカシはあずさを見つけ、声をかけるのです。あずさは自分のことを覚えてくれていることにびっくりします。その後、二人は付き合うようになりバッティングセンターデートやカフェデートなどをします。また、タカシの家に招待し、あずさを家族に紹介したりもします。しかし、家族は数時間後にはあずさのことを忘れてしまっていました。そこで、タカシは彼女のことを覚えている唯一の存在と知るのです。

しかし、その後、タカシもあずさの存在を忘れ始めるようになりました。タカシはスマホのアラームを利用したり、あずさをスマホで撮影して、彼女のことを忘れても思い出せるように対策します。

一方、あずさはタカシが自分のことを忘れるようになることを知ります。あずさは、そっと身を引くのですが、タカシはパソコンに格納されていたあずさの動画を見て思い出し、その日が彼女の誕生日であったことも思い出します。タカシは、かつて約束した恋人の丘を目指しますが、そこであったのは、あずさの代理人と称する人物。しかし、それはあずさ本人だったのです。彼女は「ありがとう」という言葉を残して姿を消してしまいます。”

 

タカシとあずさのラブストーリーですが、この物語の特徴的な設定として、あずさが数時間経つと人の記憶から消えてしまうという設定でした。二人はタカシがレンタルビデオショップへ自転車を走らせている時に、あずさと衝突し、あずさはペンダントを落としてしまし、それを大切そうに拾います。

翌日、学校でタカシが、あずさを見つけて声をかけるのですが、あずさは、彼が自分を覚えていることに対して、少々動揺しているようでした。その後二人は、カフェやバッティングセンターなどでのデートを重ねます。最初はあずさは、自分の名前をなかなか教えてくれませんでしたが、「絶対に忘れない?」と前置きをして、自分の名前が織部あずさであることを伝えます。友達にも紹介するのですが、彼女は同じクラスの女子にも覚えられておらず、「本当にうちの学校の生徒なの?」と煙たがられてしまうのです。その後、タカシは自分の家族にもあずさを紹介しました。その時には、家族団欒ですき焼きを楽しみましたが、数時間も経つと家族はあずさのことを忘れてしまうのです。

しかし、最終的にはタカシもあずさのことを忘れ始めるようになります。そのために、部屋に「織部あずさを忘れない」などたくさんの貼り紙をするようになりました。

そんな時、タカシの留守中に、あずさが家を訪ねます。タカシのお姉さんから、部屋で待っていたらと言われ、タカシの部屋に入るのですが、そこで目に入ったのが、大量の貼り紙でした。タカシが自分のことを忘れ始めていることを知った彼女は、貼り紙を外し自分の痕跡をなくして、去っていくのでした。

すっかり、あずさのことを忘れてしまったタカシでしたが、ある日、パソコンで、あずさの動画を見つけます。そして、その日はあずさの誕生日でした。動画を見て恋人の丘で彼女と誕生日に会うことを約束していることを知ります。タカシは恋人の丘へと走り、展望台の頂上で待っていました。そこに現れたのが、あずさの友人と称する女性でした。しかし、それはあずさ本人だったのです。彼女は「ありがとう」という言葉を残し去っていきますが、その直後、タカシは自分のスマホに貼っていたプリクラを見て、今あったのはあずさ本人だったと知るのです。タカシは慌てて走りましたが、もう彼女の姿はありませんでした。

 

この映画は、会った人の記憶からすぐに消えてしまうという変わったストーリーで、面白いです。序盤については二人の爽やかなラブストーリーが展開されているのが見どころです。特に、家族に紹介した時に、家族上毛も良い爽やかな演技のあずさが見どころです。ストーリーが進んでいくと、タカシ自身もあずさのことを忘れ始めるところから、切ないストーリーとなり始めます。それは、タカシがあずさを忘れないように、スマホで彼女を頻繁に録画したり、スマホのアラーム機能を酷使したりなど、たくさんの努力をするところが切ないです。あずさが、タカシは自分のことを忘れ始めていることを知った時に、自分の痕跡をなくして去っていくところも涙ぐましいです。また、ラスト3分で衝撃の事実が分かるのがストーリー構成としても面白く仕上がっていると思います。本当はハッピーエンドを望んで見ていましたが、結局、あずさが去ってしまうことで、切ない印象が強く残る作品でした。

 

タカシとあずさの本当の出会いはいつだったのか

物語の設定上、タカシとあずさの出会いは、高校3年生のことでした。しかし、この映画のラスト3分にて全ての事実が明らかになります。実は、二人は高校1年生の時に出会い、一度恋をしていたのです。それは、物語の最後で、タカシが自分のパソコンに残された映像を見ることで判明します。その動画の中では、タカシがあずさに対して、プレゼントとしてペンダントを贈っていたことで証明されています。高校3年生のタカシが、あずさと衝突した時に、あずさが落としたペンダントは、まさに、過去にあずさにプレゼントしたネックレスだったのです。そのペンダントはあずさがとても大切にしていて、ラストシーンの恋人の丘で会う時もつけていました。もしかしたら、タカシに思い出して欲しいという気持ちの現れだったのかもしれません。

タカシはなぜ、あずさのことを覚えていられる期間があったのか

タカシが最後に見た動画にも現れているように、タカシだけは一定の期間あずさのことを覚えていられる能力があったのかもしれません。また、あずさが恋愛対象であったことも影響している可能性もあります。”           数時間で人から忘れられてしまうという特殊設定のラブファンタジーに仕上がっていますので、そんな特殊設定にしらけてしまうのではなく、すんなりと受け入れてくれる映画ファンにおすすめしたいです。主人公たちは高校生で青春ものに仕上がっているため、比較的若い年齢層の人に共感してもらえるかもしれません。明るく楽しい学園シーンや切ないシーンなどもおり混ざっているので、どんな人も楽しく、時には涙しながら見れそうです。男性が見ても女性が見ても、共感できる映画なので、多くの人に見てもらいたい映画です。また、この映画は神奈川県秦野市で撮影されているので、その地域の人が見ると、弘法山や大根公園など身近な公園が登場して嬉しいかもしれません。

 

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